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愛媛県、ヤマト運輸、ANA Cargoが連携、県産品を流通拡大へ

2015/01/30

愛媛県とヤマト運輸(株)、(株)ANA Cargoは1月28日、愛媛県産品の流通拡大で連携協定を締結した。3者の得意分野を生かし、国内市場の開拓や香港、シンガポールなどアジア市場への輸出に取り組んでいく。

愛媛県庁で行われた調印式には、中村時広愛媛県知事、木川眞ヤマト運輸会長、岡田昇ANA Cargo社長が出席。さらに愛媛県イメージアップキャラクター・みきゃん、ヤマト運輸キャラクターのクロネコ、シロネコが駆け付け雰囲気を和ませた。ANA Cargoからは愛媛県出身のキャビンアテンダントが2月から使用する新制服で同席し、調印式のアシスタントを務めた。

中村愛媛県知事は、協定に先行して同県宇和島市の養殖マグロが香港に輸出されたことに触れ、「魚だけでなく、県産品の輸出に大いに活用したい」と期待を込めた。木川ヤマト運輸会長は、愛媛から出荷した食材を新鮮なまま翌日にアジアの食卓に載せられる早さを強調し、「アジアに広がるネットワークと日本をつなげたい」と語った。
また、岡田昇ANA Cargo社長は、「愛媛の地元で当たり前に美味しいものを海外に持っていくと驚くほど評価される。香港のみならず多くのアジアの食卓に良いものを提供したい」と、愛媛出身ならではの説得力で県産品の優位性を力説した。

養殖マグロの香港向け輸出は、ヤマト運輸とANA Cargoの連携により1月23日から実現したもの。ヤマト運輸のトラックで出荷された養殖マグロは、愛媛・松山空港からANA Cargoが空輸。羽田空港を経由し沖縄の国際物流ハブ空港から香港へ輸出される。香港からはヤマト運輸が通関手続きなどをスムーズに進め、スピーディな配達が実現するスキームだ。

木川ヤマト運輸会長と岡田ANA Cargo社長が口を揃えて評価するのは、愛媛県産品の競争力の高さ。温暖な気候に育まれた農産物や国内有数の海面養殖など、農水産品の品揃えが豊富にある。さらに県庁の組織として他に類の無い“営業本部”が県産品の販売を強力に後押しする態勢とも相まって連携協定が実現した。これまでヤマト運輸はいくつかの県と連携協定を結んだ実績があるが、航空会社を巻き込んだ3者協定は初めて。

今回の協定では物流だけでなく、ビジネス面でのサポートも展開する。生産者と海外バイヤーのマッチングを目的とした商談会の共同開催や、海外の消費者が好む食品・商品のマーケティングを実施するなど、県産品の販売促進を図る予定だ。

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