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2020年AGV納入件数は新型コロナで海外向け減少

2021/12/20

(一社)日本産業車両協会は12月17日、2020年1~12月分の無人搬送車システム納入実績を発表した。

改めて協会会報「産業車両」誌12月号に、協会の無人搬送車システム委員会特別委員である東京理科大学の荒木勉教授による解説記事を掲載し、詳細な分析を報告するが、概要は以下の通り。

(1)2020年の国内向け、輸出向けを合わせた無人搬送車システム納入件数は894システム(対前年比85.6%)で、2013年以来、7年ぶりの減少、納入台数も2,888台(同84.1%)で、2017年以来4年ぶりの減少となった。納入台数では国内向けは微増となったが、輸出向けが減少したことが全体の傾向に影響した。

(2)無人搬送車システム納入件数の車両タイプ別の割合は、「無人搬送車(台車)」が32.7%(32.5%)、「無人けん引車」が57.6%(60.7%)、「無人フォークリフト」が9.7%(6.7%)となり、「無人フォークリフト」の割合が3年連続で上昇した。(カッコ内は前年実績、以下同じ)

(3)無人搬送車システム納入件数の業種別割合は、「自動車・同付属品製造業」向けが46.1%(48.6%)と最も多く、次いで「一般機械器具製造業」向けが10.0%(11.9%)となったが、いずれも構成比を下げた。「弱電機械器具製造業」8.9%(6.4%)、「化学・医薬品製造業」5.8%(4.6%)、「食料品製造業」が5.3%(3.1%)と続き、製造業向けが多くを占める傾向は変わらなかったが、非製造業でも「運輸・倉庫業」向けが2.9%(2.2%)と構成比を上げた。

(4)無人搬送車システム納入件数の車両誘導方式別割合は、「磁気式」が81.2%(84.1%)と構成比を下げつつも依然大半を占め、「レーザー式」が11.0%(12.0%)、SLAM式やマーク認識式等を含む「その他」が4.0%(2.9%)と、自律走行型の割合が上昇した。

(5)無人搬送車システム納入件数の国内向け/海外向けの割合は、国内向けが82.6%(76.1%)と上昇し、海外向けは17.4%(23.9%)と2割を切った。1システム当たりの台数では、国内向けは2.9台(2.7台)、海外向けは4.6台(5.2台)と、国内向けで増加した一方で、海外向けでは減少となった。なお、同調査の対象となった無人搬送車システムメーカーは17社。

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