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南海通運、ミャンマー発タイ陸送経由で日本輸出

2015/11/06

南海通運(株)は11月4日、タイ・ミャンマー間国境陸送混載便の第2弾として、ミャンマー国内工場から陸送で国境を経てタイ(バンコク)、さらにバンコク港から船便で日本主要港への一貫物流を2015年11月より開始したと発表した。

同社が今年4月に発表したバンコクからミャンマー(ヤンゴン)への国境陸送混載便による輸入は、その後順調に物量・荷主数が伸びている。これに加えて、各荷主(特に衣料縫製関連企業)からは逆方向のミャンマー発日本への輸出に対する納期短縮の要望が数多く寄せられた。

この要望に応えるために今回始めたのが、ミャンマーから陸送(トラック)でバンコクまで運び、バンコク港から船便(FCL)で日本主要港まで届ける「バンコク経由陸海ルート」で、約2週間(13~15日)の納期で実現した。これは本来の「シンガポール経由海上ルート」に比べて、約1週間の納期短縮となる。

同社の陸送ルートを使えば、ドアツードアの納期で比較すると、タイから出荷の資材の送り込みで10日間短縮、日本向けの完成品の輸出で1週間の短縮、合計2~3週間のリードタイム短縮が可能となる。これにより、ミャンマーに発注できる製品の幅が広がることも期待され、タイ・ミャンマービジネスの促進に大きく貢献することになる。

現時点では、ミャンマーとタイのトラックの相互乗り入れが認められていないため、国境での載せ換えと、バンコクでのコンテナバンニングの2回の作業が発生する。それにより価格面ではヤンゴンからコンテナ船を使った場合に比較して、まだ割高であるが、納期短縮と貨物追跡情報の透明化など大きなメリットがある。

今後、価格を抑える方法として、トラックの両国相互乗り入れの1日も早い実現が望まれるが、同社では往復の貨物を増やすことでトラックの利用効率を上げるなどの企業努力により、国境物流のさらなる安定化・低価格化・利便性の追求を推し進めていく考えだ。

●2015年8月末に開通したミャンマー山岳部を迂回する新バイパス道路
ミャンマー国境の町(ミャワディ)からコーカレイまでの約40kmの山岳部の悪路が国境物流のネックの一つとなっていたが、本年8月下旬にバイパス道路が開通し、大幅に安全性が改善された。相互通行も可能となり、4時間の山越えも40分程度に短縮されたため、利便性も大きく高まった。

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