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ヤマト運輸、日本発台湾向けの「国際クール宅急便」開始

2015/03/18

ヤマト運輸(株)は3月18日、日本発台湾向け「国際クール宅急便」を、3月30日から開始すると発表した。2013年10月に開始した香港向けに続き、日本の新鮮な旬の農水産品を海外に届けることが可能になった。

「国際クール宅急便」は、国内6万人のセールスドライバーによる集荷と、約4,000か所の直営店で荷物1個から日々送ることができる。また、サイズは「クール宅急便」と同じで、国内と同じ感覚で利用可能。日本と台湾での保冷輸送はもちろん、航空輸送でも航空保冷コンテナを使用する。沖縄(那覇空港)・台湾(松山空港)にも定温仕分け室を設置し、保冷資材を使用しない高品質な保冷輸送を提供する。

高品質な小口保冷輸送の実現により、日本の事業者が新鮮な農水産品を小口で日々輸出できるようになる。台湾の消費者やホテル・レストランなどの事業者が求める日本産の農水産品へのニーズに応えることで、日本の事業者にとって台湾市場への販路拡大につながり、ビジネスチャンスが大きく広がる見込み。

台湾におけるラストワンマイルネットワークを担うのは、ヤマト運輸と2000年からライセンス契約を結び宅急便事業を展開する統一速達。日本からの荷物は、最短で翌日の夕方から台北市内の統一速達営業所で引き取ることができ、翌々日の午前中からは、店舗や自宅まで配達する。統一速達は、台湾の企業グループ統一企業集団に属する企業で、台湾内に約250の拠点と約2,100台の車両を有し、台湾域内で高密度な宅急便ネットワークを構築している。

近年、台湾では訪日旅行ブームを受けて日本食が人気を集めている。台北などでは多くの日本食レストランが軒を連ね、料理に使う新鮮な日本産の農水産品へのニーズが高まっている。これまで、台湾の消費者やホテル・レストランなどの事業者が日本の高品質な農水産品を求めても、日本全国から鮮度を保ったまま頻繁に輸入できる小口保冷のスピード輸送が無かったため、産地から鮮度を保ったまま仕入れることが困難だった。

また、日本国内の生産者をはじめとする事業者が農水産品を台湾へ直送しようとしても、発送日や受付窓口が限定されたり、保冷資材を使用しなければならないなど、台湾への小口保冷輸送は容易ではないため、販売機会のロスにつながっていた。

ヤマト運輸は、2015年度中にシンガポール向けに国際クール宅急便を開始する予定。その後、さらなる仕向地拡大を進め、国際物流のボーダレス化・シームレス化を図り、2020年までに農水産品・食品の輸出額を1兆円に拡大していく日本の成長戦略を支える考えだ。

国内での発送から台湾での配達まで

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