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日本郵便、豪州物流大手トール社を子会社化

2015/02/23

日本郵便(株)は2月18日、一部報道にあった豪州物流大手Toll Holdings Limited(トール社)の買収について、同社の発行済株式100%を取得して子会社化すると正式発表した。取得価額は約6,200億円。

日本郵便では、国内事業の強化と同時に成長著しいアジア市場への展開を中心に、国際物流事業を手掛ける総合物流企業として成長していくことを目指している。国際物流事業としては、2014年10月に仏ジオポストおよびび香港レントングループとの資本・業務提携を締結し、国際宅配便サービスを開始しているが、今後アジア市場での確固たる地位を確立しながら、さらなるグローバル展開を図るために、豪州の大手上場物流企業であるトール社の株式取得を行うことを決定した。

トール社は、今後物流の増加が見込まれるアジアパシフィック地域で高いプレゼンスを有し、事業別・地域別ともにバランスのとれたポートフォリオを有している企業。また、フォワーディング事業および3PL(コントラクト・ロジスティクス)事業を海外展開しており、多国籍企業経営の経験も豊富なことから、日本郵便はトール社をグローバル展開のプラットフォーム企業と位置付け、同社の有する知見と経験を活用することで、国際物流事業を拡大し、収益拡大を図る方針だ。

今回の買収の背景には、日本国内の人口減少およびインターネットの影響により国内郵便市場はここ数年、縮小していることがある。日本郵便としては、こうした市場環境の中で、収益力を強化していくため、さらなる海外展開が必要であると判断し、新たな事業基盤の獲得に向けて、M&Aによる事業拡大を検討していた。今回のトール社買収でこの検討が具体化した。

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