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日本ロジスティクスファンド投資法人、八千代物流センターの再開発事業を実施

2013/03/14

3月13日、日本ロジスティクスファンド投資法人は、現在保有している八千代物流センターの再開発事業の実施を発表した。

同物件は、千葉県を中心とした地域配送に加えて広域配送拠点としてのニーズも期待できる八千代エリアの工業団地内に位置し、24時間操業・労働力確保等の物流業務に適した立地条件を備えている。一方、同物件の建物は1972年に平屋の工場として建設された施設であり、同投資法人では取得当初から時期を見て「資産価値増大のための再開発」を行うことを検討してきた。立地評価、テナント需要、運用状況への影響等について詳細な分析を実施し、更地売却、大規模修繕、スポンサー等の第三者による再開発と買戻しといった複数の選択肢について検討を行った結果、「OBR(Own Book Redevelopment=投資法人自らが行う保有物件の再開発)」が外部への「利益流出」を避け資産価値を最大化する手段であると判断し、2013年4月から同物件の再開発事業を開始することを決定した。

(1)J-REIT初の保有物件の全面的な「OBR」
本事業はJ-REITで初めての保有物件の全面的な「OBR」です。J-REITにおける保有物件の再開発は保有物件をスポンサー等の第三者に売却し、第三者が当該物件を再開発した後に投資法人が再び取得するケースが一般的だが、本事業においては、外部への「利益流出」を避け資産価値の最大化を図るため「OBR」を選択した。

(2)外部への「利益流出」を避け資産価値を最大化
同物件は、流通業務に適した立地条件とテナントの安定性に加えて、未消化の容積率を利用した大規模物流施設の建設による将来的な内部成長期待を評価して取得した物件。本事業の完了後、同物件の総賃貸可能面積は約3.2倍の規模となり、汎用性の高い仕様を備えた大規模マルチテナント型物流施設に生まれ変わる。同投資法人は、本事業の実施による含み益の増加を5億2,500万円と見込んでおり、同物件の物流施設としての利便性、汎用性が高まると同時に、外部への「利益流出」を避けることで同物件の資産価値を最大化することができると考えている。

(3)ポートフォリオ収益力の向上
本事業の実施により、同物件の不動産賃貸事業損益は1億2,900万円(1口当たり870円)の増加が見込まれる。同投資法人は、大東物流センターの一部建替事業においてポートフォリオ収益力を大幅に向上させた実績を有しており、「OBR」を重要な成長戦略として認識している。同投資法人は「物流施設特化型REIT」のパイオニアとして積み重ねた知見を活かして今後も継続的に「OBR」を検討する方針。

(4)「OBR」に対するリスクマネジメント
同投資法人は、本日現在J-REITで最も低いLTV(30.1%)と高い含み益率(22.1%)を維持しており、本事業の有する様々なリスクに対応可能なポートフォリオを構築している。また、同投資法人の資産運用会社である三井物産ロジスティクス・パートナーズ(株)はリーシングと施設管理を担当する専門部署を有しており、大東物流センターの一部建替事業を始めとした過去の実績により培われた「現場力」を活かして綿密なリスクマネジメントを行うことが可能。

2013年4月から既存建物の解体に着手し、2014年9月末に新たな建物が竣工する予定。

<施設の特徴(計画中)>
・汎用性の高い施設仕様
柱間隔10.0m以上、天井高5.5m以上、基準階床荷重1.5t/平方メートルと現在の物流施設に求められる基準を全て満たす設備仕様。

・大規模マルチテナント型
4階建、延床面積2万坪を超える大規模物流施設であり、ランプウェイを通じて2階および3階部分に直接アクセス可能なトラックバースを設置することによりテナントニーズに合わせた形で分割賃貸することが可能。

・PC免震構造
最新のプレキャスト・プレストレスコンクリート構造の免震建物であり、震災時に建物・荷物・人命を守ることが可能。また、内陸部で液状化によるインフラ寸断のリスクが低い立地であるため、物流事業が停滞することなく商品を供給できる強みがあり、テナントの災害時におけるBCP(事業継続計画)拠点としての役割を果たすことが可能。

・環境への配慮
昨今の環境意識の高まりに配慮し、CASBEE新築のAランク取得予定。CASBEE(建築環境総合性能評価システム)とは、建築物の環境性能を評価し格付けするもので、省エネや省資源・リサイクル性能といった環境負荷削減の側面に加え、室内の快適性や景観への配慮等も含めた建築物の環境性能を総合的に評価するシステム。

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