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住友化学、千葉工場における石油化学事業を再構築

2013/02/02

2月1日、住友化学(株)は、国内石油化学事業の拠点である千葉工場(千葉県市原市)の競争力を強化するため、次の定期修理時期である2015年9月までに、エチレン製造設備を停止することを発表した。エチレン製造設備停止後のエチレンなどの石油化学基礎原料(以下、「エチレンなど基礎原料」)は、京葉エチレン(株)からの調達量を増加させることにより、必要量を賄う予定。

近年、わが国の石油化学産業は、内需の減少や輸入品の増加などから厳しい事業環境が続いており、その基調は今後も大きく変化することはないと見込まれる。こうした中で、同社の石油化学事業を強化・維持していくためには、製品の高付加価値化やコスト削減を一段と進めていく必要がある。

同社のエチレン製造設備は、操業を開始してから40年以上が経過しており、エネルギー効率や維持・補修費用の面で競争力を失いつつある。さらにここ数年は、一部の汎用誘導品において、国内需要の減少が顕在化してきた。こうした設備の老朽化や内需構造の変化を踏まえ、同社はこれまで千葉工場の最適化について種々検討してきたが、「エチレンなど基礎原料」については、次の定期修理の時期までに、自社での生産を停止し、国内で最も新しく大型の設備である「京葉エチレン」からの調達に一本化することが最善と判断した。なお、「京葉エチレン」からの「エチレンなど基礎原料」の調達量の増加については、同社の引取枠を増やすことで、丸善石油化学(株)ならびに三井化学(株)と原則合意している。

本件の実施により、「エチレンなど基礎原料」の調達の効率化が実現されるともに、関連する付帯設備の合理化による固定費削減を図ることができる。さらに、今後、一部の誘導品の製造設備についても、停止を含めた最適化の検討を行っていく。同社は、今後進めていく一連の千葉工場の再構築とともに、サウジアラビアやシンガポールの生産拠点も含めた、石油化学事業全体の強化を図っていく、という。


<住友化学(株)千葉工場 エチレン製造設備の概要>
操業開始年月 1970年1月
エチレン生産能力 41万5,000t/年(非定期修理年ベース)

<京葉エチレンの概要>(2013年1月末現在)
社名 京葉エチレン(株)
資本金 60億円
出資比率 丸善石油化学 55%、三井化学 22.5%、住友化学 22.5%
設立年月 1991年9月
操業開始年月 1994年12月
エチレン生産能力 76万8,000t/年(非定期修理年ベース)

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