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10~12月荷動き指数は全輸送機関で悪化する見通し〔日通総研短観〕

2014/10/28

日通総合研究所は「企業物流短期動向調査」(日通総研短観)の9月調査の結果を公表した。

同調査は企業物流の最新動向を把握することを目的に、四半期ベース(3月、6月、9月、12月の年4回)で実施、調査結果は「日通総研短観」として公表している。調査対象は製造業、卸売業の主要2,500事業所。

・国内向け出荷量
7~9 月実績(見込み)の業種別・荷動き指数は、7 業種において前期(4~6 月)実績よりも上昇する一方、7 業種では低下するなど、業種により跛行性がみられた。10~12 月見通しでは、4 業種がプラスに反転するなど、11 業種において荷動き指数の上昇が見込まれる。この結果、食料品・飲料、鉄鋼・非鉄など 7 業種がプラス、
窯業・土石が±0 で、木材・家具、生産財卸など 7 業種がマイナスになるものとみられる。

・輸送機関利用 
7~9 月実績の輸送機関別利用動向指数は、特別積合せトラック、宅配便では前期(4~6 月)実績から横ばいで推移し、その他の輸送機関においては上昇したが、全輸送機関でマイナスとなった。10~12 月見通しでは、引き続き全輸送機関において利用動向指数がマイナスとなるが、一般トラック、特別積合せトラック、鉄道コンテナでは小幅な改善の動きがみられる。一方、内航コンテナでは横ばい、宅配便、国内航空では悪化する見込みである。 

・輸出入貨物量
7~9 月実績の荷動き指数は、全輸送機関において前期(4~6 月)実績よりも上昇し、国際航空の輸入で±0 にとどまったが、その他の輸送機関ではプラスを示した。10~12 月見通しでは、全輸送機関において荷動き指数が悪化する見込みである。外貿コンテナの輸出・輸入、国際航空の輸出ではプラスを維持するが、国際航空の輸入ではマイナスに沈むものとみられる。
 
・在庫量と営業倉庫利用の動向
7~9 月実績の在庫量と営業倉庫保管量の動向をみると、すべての動向指数が前期(4~6 月)実績よりも上昇した。この結果、製品在庫、営業倉庫保管量でプラスとなり、原材料在庫でも±0 まで戻した。10~12 月見通しについては、すべての動向指数が低下し、営業倉庫保管量で小幅なプラスにとどまるが、原材料在庫、製品在庫ではマイナスに沈む。このため、在庫圧縮の圧力、営業倉庫保管量に対する削減圧力は若干強まるものとみられる。 

・運賃・料金
7~9 月実績の動向指数は、全機関でプラスとなった。前期(4~6 月)実績との比較では、一般トラック、鉄道コンテナ、倉庫保管料で動向指数が上昇したが、特別積合せトラック、内航コンテナ、国内航空では低下がみられた。10~12 月見通しについては、全機関において上昇方向に動き、引き続き全機関で動向指数がプラスとなる見込み。また、国内航空以外では動向指数が 2 ケタのプラスとなり、増勢がさらに強まる見通し。 

・物流コスト割合
7~9 月実績の動向指数は、輸送用機械が 1 ケタのプラスにとどまる以外は、残り 14 業種が 2 ケタのプラスを示した。業種全体では+24 と、前期(4~6 月)実績からは弱含み横ばいで推移した。10~12 月見通しでは、精密機械など 4 業種でプラス幅が縮小する一方、食料品・飲料、木材・家具など 9 業種でプラス幅が拡大する。この結果、業種全体の『動向指数』は 4 ポイント上昇してプラス28 と見込まれ、物流コスト割合の拡大はさらに続く見通しである。

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