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ヤマト運輸、羽田クロノゲートが食品安全の国際規格認証を取得

2017/09/07

ヤマト運輸(株)は9月6日、同社の物流中核拠点・羽田クロゲートベースにおいて「Global Food Safety Initiative」(以下GFSI ※1)承認国際規格「FSSC22000※2」の物流カテゴリーでの認証を世界で初めて取得したと発表した。

多発する食品事故や消費者による食の安全意識の高まりに伴い、食品を取り扱う事業者は、品質向上の取り組みのみならず、食品安全を確保する能力を実証することが求められている。また、コールドチェーン市場の世界的な拡大や、グローバル化による農水産品をはじめとした食品などの輸出入の増加によって、生産や製造、加工工程だけではなく、流通などを含めたフードチェーン全体での食品安全を担保する取り組みの推進が重要となってきてる。

一方、国内では、平成28年12月に公表された厚生労働省の「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」において、日本の食品安全のさらなる向上を目的として、物流事業者を含めたすべての食品取扱事業を対象としたHACCPの制度化が検討されている。ヤマトグループでは2017年5月14日、クール宅急便を展開する各国において安心してサービスを利用できるようにするため、小口保冷配送サービスの国際規格であるPAS1018※3を取得し、客観的な視点による品質のさらなる向上を図るための取り組みを進めている。

今回、ヤマト運輸が食品安全に関する国際規格「FSSC22000」を羽田クロノゲートベースにおいて取得することで、より厳格な衛生管理手法を取り入れるなど食品安全管理のレベルを向上し、食品を取扱う事業者としてより信頼性の高いサービスの実現を目指す。なお認証取得にあたって8月30日に登録証授与式が行われた。

現時点ではヤマトグループの羽田クロノゲートのベースターミナルに限定しているが、年内をめどに、海外の接点である沖縄ヤマト運輸のサザンゲートやヤマトグローバルロジスティクスジャパンの羽田クロノゲート支店での取得を予定している。今後ヤマトグループは、食品安全の国際規格に則った食品安全危害を管理する仕組みを構築し、日本国内のみならず海外へも展開していく。


※1 Global Food Safety Initiative(GFSI)
TCGFにより運営されている業界主導のイニシアチブ。小売業や、メーカー、フードサービス業、国際団体、行政、学術機関のほか、食品業界のサービス・プロバイダーなど、世界中のあらゆる業界から集まる食品安全のエキスパートが協力し、食品安全マネジメントの管理を通してフードサプライチェーン全体の安全性を向上するための取り組みをおこなっている機関。

<The Consumer Goods Forum(TCGF)>
世界70カ国、400社を超える企業のCEOや経営者が集まるグローバルな消費財流通業界のネットワーク。会員企業の売上高総額は2.5兆ユーロ(約300兆円)で直接雇用者は1千万人に上る。

※2 FSSC22000
GFSIが承認した食品安全の国際規格で、本部はオランダにある。食品安全マネジメントシステムISO22000、NTA8059、FSSC22000追加要求事項より構成されており、初版発行は2009年。2017年1月に輸送及び保管のカテゴリーを設けている。2017年8月24日現在、認証組織数は世界で16,019件。日本では1,088件に上る。

※3 PAS1018
小口保冷配送サービスのうち、荷物の積み替えを伴う輸送形態を対象とする国際規格。車両に搭載されている保冷庫などの空間の温度管理を中心に、配送中の積み替え作業に関する要求事項が規定されている。ヤマトホールディングスを始め、日本国内の保冷宅配便サービスを扱う事業者、海外の業界団体等の組織も参画し2017年2月28日に策定された。

●FSSC22000の登録証授与式
(左から審査登録機関のオーディス(株)最高審査責任者 齋藤恵美氏、ヤマト運輸代表取締役社長 長尾裕氏

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