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物流連・渡邉会長「サプライチェーンの在り方変える感染症」

2021/01/01

(一社)日本物流団体連合会は1月1日付で渡邉健二会長の2021年の年頭所感を発表した。

●2021年 物流連会長年頭あいさつ
 新年あけましておめでとうございます。

昨年は1月に中国・武漢市で感染が急拡大した新型コロナウイルスが、その後世界を席巻し、今日に至るまで社会・経済全体がその対応に追われる1年でありました。人々の移動や外出の制限から、食料品や生活必需品を供給する物流の重要性はかつてないほど注目され、エッセンシャルワーカーという言葉も定着しました。

また、世界の各所で工場等が稼働停止となり、輸送手段にも制約が生じる中で、グローバルサプライチェーンの分断を避けるために国の内外で奮闘したのも物流事業者でした。しかし、経済環境の大きな変化により陸海空の輸送モード毎の需給ギャップが生まれ、感染状況の行方も不透明であることから、コロナとの闘いは今しばらく続くものと思われます。

このような中で物流連ではこの1年間、かねてより掲げてきた4つの活動を推進してきました。まず、「物流を等身大で社会一般から見てもらう活用」としてインターンシップや大学内での業界セミナー等の取り組みは、対面開催にwebでの開催日を加えることで、参加人数を大幅に増やすことができました。

また、「国際的な課題への取組み強化」に向けた、アセアンおよび中国での新型コロナウイルスによる影響等に係る講演会、「社会インフラとしての物流機能強化」を進める活動として、自然災害に対応するBCP作成に関する講演会等をweb併用で開催することで、東京地区以外の方々の参加も得たところです。また、コロナによる物流業者への影響については、会員アンケートとヒアリングを行いました。

「物流環境対策の取組み」では、コロナ禍にも拘わらずモーダルシフト取組み優良事業者賞へは多数の応募をいただき、脱炭素社会に向けた物流事業者の取り組みを社会に公表しました。

世界で猛威を振るう感染症は、サプライチェーンの在り方や、物流の姿をも変えようとしています。物流の担い手が減少するなかで、運転や荷役の自動化への取り組みや、受渡しや輸送の効率化に向けた「共通基盤の構築」、感染を防止するための非接触による受渡しなど、様々な取り組みを並行して進めなければなりません。そしてこれらを可能とする前提となるのは、パレットをはじめとする容器の規格や情報等の共有、統一を進める「物流標準化」と「デジタル化」の推進です。これらについて物流業界を超え、製造、流通等の業界とも連携し推進していきたいと考えます。

皆様のご健康、ご多幸をお祈りするとともに、当連合会に対して引き続き温かいご支援をよろしくお願いいたします。

●物流連・渡邉健二会長

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