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DPD/ヤマト、小口保冷輸送コンソーシアム発足
欧州第2位の国際エクスプレス事業を行う仏DPDグループとヤマトホールディングス(株)は3月24日、安全・安心で持続可能な世界規模の食品流通の確立に向けたコンソーシアム「Fresh Pass」を発足した。
各国の参画企業とともに生産・収穫から加工、保存、輸送、流通過程における高品質な各国内、およびクロスボーダーの小口保冷輸送の確立と普及を目指す。
COVID-19の世界的な流行拡大は、各国のライフスタイルを急速に変化させ、食品流通においても安全、安心で高品質な国内および国際間の小口保冷輸送ネットワークの構築が求められている。一方、世界では、既存の食品流通の非効率な流通工程、保存設備や輸送手段などインフラの未整備に起因するフードロスなど、様々な課題が指摘されている。
両社は国際的な食品流通の課題解決に向けて、小口保冷輸送コンソーシアム「Fresh Pass」を発足し、各国の参画企業を募る。
●サービス概要
(1)世界基準(ISO)に基づいた小口保冷輸送方式を策定
ISO23412:2020(※1)に基づく保冷輸送の品質管理方式を共通化し、安全で高品質な国内および国際間のすべての流通過程における小口保冷輸送プラットフォームの構築を目指す。
※1:2020年5月28日に発行されたISO規格。小口保冷配送サービスのうち、荷物の積み替えを伴う輸送形態を対象とする国際規格であり、車両に搭載されている保冷庫などの空間の温度管理を中心に、配送中の積み替え作業に関する要求事項が規定されている。
(2)各社が保有する物流ネットワークの相互活用
「Fresh Pass」参画企業は、おのおの所有する小口保冷輸送ネットワークを活用し合うことで、顧客企業の新規市場進出やクロスボーダー取引拡大時のオペレーションコスト低減が見込める。また、共通の品質基準を満たしているネットワークであるため、すべての流通過程において高い品質を維持することができる。
(3)「Fresh Pass」ブランドの設立と運用
「Fresh Pass」に参画いただく企業の輸送資材等に共通の名称とロゴを使用することで、安全で高品質な輸送方式の証を可視化する。世界基準の小口保冷輸送ネットワークによって、各参画企業のビジネス拡大や信頼性向上に貢献し、食品流通の健全な発展に寄与する。
(4)小口保冷輸送に関するノウハウの共有
今後小口保冷輸送の強化を目指す物流事業者に対するコンサルティングや、新たに小口保冷輸送事業に参入する際のサポートを行う等、コンソーシアム参画企業の拡大を通じた安全・安心の食品輸送に貢献する。
●今後の展開
世界各国に「Fresh Pass」を展開することで、持続可能な食品流通の普及を促進するためのインフラ、保存設備、加工施設の整備はもちろん、技術的能力の強化を支援し、最適な世界規模での食品流通の実現に向け取り組む。また、各国の生産者・食品事業者に対しても、小口保冷輸送ネットワークによって創出される国内外の新たな市場への進出や、小口保冷輸送の実現による生産者と消費者を直接つなげる新たなビジネスモデルの創出を支援していく。
●DPDグループについて
DPDグループはクロノポスト、SEUR、BRTの各ブランドにより構成されるヨーロッパ最大の小包配達ネットワーク。9万7,000人の配達担当者と5万8,000か所の集荷拠点により、1日750万個、年間19億個の荷物を配達している。
※DPDグループは2020年に110億ユーロの収益を記録したGeoPost社の配送ネットワーク。GeoPost社はフランス郵政グループ傘下の持株会社。
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