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フェデックス、米国でモデルナ製コロナワクチン出荷

2020/12/25

フェデックス コーポレーションの子会社で、国際総合航空貨物輸送会社のフェデックス エクスプレスは12月19日、マッケソン・コーポレーション(医薬品サプライチェーン管理および関連ソリューションを提供する企業)が扱うモデルナ社の新型コロナウイルスワクチンについて、全米に向けて第1便の出荷に着手したことを明らかにした。

同社は米国食品医薬品局(FDA)がモデルナ社製新型コロナウイルスワクチンの緊急使用の承認を受け、同ワクチンと投与に必要な用品一式の輸送を開始。輸送には配送状況をモニタリングする「フェデックス・プライオリティ・アラート」を付帯した「FedEx Priority Overnight」サービスを使用。同ワクチンはマッケソン社、連邦政府の「ワープ・スピード作戦」チーム、そして州・地方政府関係者との数か月にわたる準備と綿密な計画を経て、全米の予防接種センターに配送される。同社は追加のワクチンおよび関連重要物資の輸送計画についても引き続き、ヘルスケア産業の顧客と緊密に連携していく。

同社はファイザー社とビオンテック社が共同開発したワクチンについて、前週から全米各地への積極輸送を開始。また、早ければ翌週にはカナダでワクチン輸送を開始する予定で、併せて他国へのワクチン輸送開始に向けて準備も進めている。

同社では、温度管理ソリューション、リアルタイムに近い情報を受け取ることができる輸送モニタリング、ワクチンやバイオサイエンス関連貨物の迅速な輸送を実現する専門のヘルスケアチームを有し、新型コロナウイルスワクチンの国際輸送に対処できる体制が整っている。

医療サービスが行き届いていない地域社会にも新型コロナウイルスワクチンを届けるため、同社は地域社会に関わる米国内外の非営利組織に対し、現金400万ドルと輸送支援の現物出資を約束している。Direct Relief、International Medical Corps、Heart to Heart International等がその一例。

●テクノロジーについて
同社では、輸送中の貨物に関する情報は貨物そのものと同等に重要だと考えており、温度に敏感なワクチンが「FedEx Priority Overnight」サービスによって迅速かつ安全に同社の米国内のネットワーク間を移動できるように、ワクチン貨物にはBluetooth Low Energy(低消費電力の通信モード)センサを使用したフェデックスのモニタリング機器SenseAware IDが添付される。発送地から仕向地まで、「フェデックス・プライオリティ・アラート」の専任カスタマーサポート担当者が、SenseAwareモニタリング技術を用い、ほぼリアルタイムでワクチン貨物の位置を追跡する。同技術を補うのがFedEx Surroundプラットフォームで、人工知能と予測ツールを活用して貨物に関する状況を積極的にモニタリングし、カスタマーサポート担当者が配送時間の遅延を招き得る荒天や渋滞発生時に対応できるよう設計
されている。

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