[最新ニュース] 物流・3PL

DL協議会、伝票電子化で標準データフォーマット公開

2022/01/17

デジタルロジスティクス推進協議会(DL協議会)は1月17日、物流業界で関心の高まっている納品伝票の電子化について、参加企業であるメーカー・卸・物流事業者等が議論して策定した標準データフォーマット、運用手順を公開すると発表した。

●解決を図ろうとしている課題
現在、物流業界では、労働力不足を背景とした物流危機が叫ばれており、物流情報のデジタル化がその解決策の1つとして注目を集めている。そのなかでも、納品伝票電子化は以下の2点において特に重要な検討テーマに位置付けられている。
(1) 納品伝票電子化は、伝票発行や照合、収受にかかる時間や手間の削減などサプライチェーン上の全ての企業がメリットを享受できる点
(2) 現在紙であるがゆえに活用しきれていない情報をデジタル化することによって、様々な物流施策への寄与が期待される点

一方、納品伝票は多くの企業間で取扱われる帳票のため、個別に電子化を進めることは困難であり、かつ独自仕様の乱立が複数のシステムの併用を招き、利便性を低下させる恐れがあった。

●DL協議会による納品伝票電子化の取り組みの特徴
DL協議会が定める納品伝票電子化の特徴は以下の3点。
(1) 上述の課題を解決するため、DL協議会では会員企業が協調し、指針となる標準データフォーマット、運用手順を策定した。策定にあたっては、会員企業に留まらず、業界全体が採用しやすいよう汎用性に対する考慮がなされている。
(2) 物流現場での実運用を考慮し、実際にモノが移動する車両単位でデータを構成しているほか、ペーパーレスによる物流現場への影響に配慮した運用手順を定めるなど、当事者目線での策定に努めた。
(3) これらの成果物を同会内部に閉じず、物流業界全体での最適化につなげることを意識し積極的に公開する。

●他の物流データ標準化の取り組みとの整合性
物流情報の電子化に際しては、将来的なデータ連携を見据え、他の様々な取り組みとの整合性が重要になる。そのためDL協議会では、納品伝票電子化の標準データフォーマットの策定に際し、次のような検討を行った。まず、データ構造・データ項目は、(一社)日本加工食品卸協会の標準 EDIフォーマット(事前出荷情報)・日食協統一伝票をベースに設定している。次にDL協議会の標準データフォーマットは、国家プロジェクトである戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)スマート物流サービスが策定した「物流標準ガイドライン」のメッセージと互換性を有している。

さらに拠点・事業所を示すコードについては、GS1が制定する国際標準コード Global Location Number(GLN)の利用を基本方針としている。なお、DL協議会の標準データフォーマットはその必要性が認められ、(一社)日本加工食品卸協会より納品伝票電子化の標準データフォーマットとして承認されている。

|↑一覧に戻る|