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日通総研、2015/16の貨物輸送市場を予想

2016/01/25

(株)日通総合研究所はさきほど、貨物輸送市場の動向を予測した報告書、「2015・2016年度の経済と貨物輸送の見通し」を公表した。国内貨物輸送は2015年度の総輸送量が47億1,780万t(前年比0.2減)、同2016年度は46億9,780万t(同0.5%増)と予測。国際貨物輸送は、輸出入合わせ2015年度は、外貿コンテナ貨物が1,161万5,000TEU(同3.4%減)、国際航空が202万1,800t(同4.5%減)、2016年度は外貨コンテナ貨物が1,176万3,000TEU、国際空港は204万7,900t(同1.3%増)としている。

●国内貨物輸送の現状と見通し
2015年度に増加した国内貨物輸送は13億510万t(同3.2%増)となった消費関連貨物で、とくに「日用品」「食料工業品」が牽引、一方、生活関連貨物は「一般機械」や「化学工業品」が堅調に推移する反面、「自動車」「鉄鋼」「石油製品」が減少し15億6,770万t(同0.3%減)、建設関連貨物は「民間住宅」や「非住宅部門」の建設に持ち直しの動きがあったが、公共投資が落ち込み18億60万t(同2.6%減)と減少した。

2017年4月からの消費税率引き上げに伴う駆け込み需要を想定した2016年度は、消費関連貨物が13億1,200万5,000t(同0.6%増)と予想。個人消費がいくぶん持ち直すものの、前年度の大幅増の反動があるとした。生産関連雑貨は「一般機械」「化学工業品」「鉄鋼」が増加するが、「自動車」「石油製品」の減少が継続し、15億9,800万6,000t(同2.0%増)。建設関連貨物は住宅投資が堅調に推移し、非住宅部門の建設需要にも増加が期待できるが、公共投資が減少するとみており、17億4,190万t(同3.3%減)となった。

●機関別の国内貨物輸送
2015年度の鉄道の貨物量は4,340万t(同0.1%増)、JRは3,080万t(同2.3%増)と2年ぶりの増加となった。2016年度は4,380万t(同0.8%増)でJRは3,140万t(同2.0%増)と2年連続の増加。JR コンテナはモーダルシフトの追い風が期待できることから「積合せ貨物」や「食料工業品」を中心に3%程度の増加を予測している。

2015年度の自動車の貨物量は43億820万t(同0.2%減)、「一般貨物」が後押しし、営業用自動車が29億6,770万t(同1.1%増)となった。2016年度は42億8,790万t(同0.5%減)で、特別積合せトラックの輸送量は0.7%増とプラスに転じた2015年度の勢いを継続し、2016年度も「機械機器」「食料工業品」「日用品」などの堅調な推移を受けるなどで1.7%増と予測している。

2015年度の内航海運は3億6,530万t(同1.1%減)、2016年度は「建設関連」貨物が減少するが「鉄鋼」が増加し、横ばいの3億6,530万t(0.0%)としている。

2015年度の国内空港は926万t(同0.3%減)、2016年度は国内民需が上向くことを受け、宅配貨物などに底堅い荷動きが見込まれることなどから年度を通じて堅調な推移が期待でき、3年ぶりに増加に転じ、938万t(1.3%増)と予測している。

●国際貨物輸送の現状と見通し
〈外貿コンテナ(輸出)〉
2015年度は481万5,000TEU(同3.4%減)、2016年度は世界経済の拡大を背景にプラスに転じるが、中国経済減速の影響を受け485万6,000TEU(同0.9%増)と微増。

〈外貿コンテナ(輸入)〉
2015年度は680万TEU(同4.3%減)、2016年度は個人消費、設備投資の改善を受けてプラスに転換するが、690万7,000TEU(同1.6%増)と小幅な伸びになると予想している。

〈国際航空(輸出)〉
2015年度は97万8,800t(同5.4%減)、2016年度は自動車部品以外の機械類の荷動きが回復し、99万4,500t(同1.6%増)と1年で再びプラスに転換するとしている。

〈国際航空(輸入)〉
2015年度は104万3,000t(同3.7%減)、2016年度は消費財と生産財(部品類)が持ち直し、105万3,400t(同1.0%増)と5年ぶりにプラスに転換するとみている。

なお、詳細は同研究所のホームページ
https://www.nittsu-soken.co.jp/report/index.htmlを参照。

●(図表上)国内貨物輸送量の見通し
 

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